世界名鐘物語
イタリアの「ピサの斜塔」をご紹介いたします。
イタリア
ピサの斜塔
「ピサの斜塔」と名鐘との関係、それは鐘楼にあります。
ピサの斜塔は、その塔の美しさと、何よりも傾いていることで有名ですが、
実はこの塔は、鐘楼なのです。
鐘楼として設計され、鐘楼として建造され、
現在でも鐘が取り付けられています。

ピサはイタリア中部、アドリア海を臨むアルノ川の河口に位置する、トスカーナ州の街です。
街の歴史は古く、紀元前6〜3世紀にはエトルリア人が定住していました。
このピサの街に、塔の建築が始まったのは、1173年のことです。
地元の建築家、ボナンノ・ピサノとグリエルモの設計により、ドゥオーモ(大聖堂)の鐘楼として着工されました。
1185年には、3階まで完成していましたが、その時すでに、塔はかなり傾いていたと言われています。
建築は、ジェノバによる地中海への覇権争いなどで、幾度となく中断され、完成に到ったのは、1350年のことでした。

鐘楼は、イタリアの鐘楼建築の典型と言われており、頂上部には、7鐘のスイングベルが設置されています。
斜塔の高さは、56.705メートル、垂直線から約4.1メートル傾いています。
傾きが進んで、危険になったとして、1990年1月から立ち入り禁止になっていましたが、
倒壊防止工事を施し、2001年12月に、工事を終えて、再び一般公開されるようになりました。
再び塔頂まで登ることが出来るようになり、鐘楼には、美しく7鐘が配列されていて、
まさしく、ピサの斜塔が鐘楼であることを、実感することが出来ます。

サンタ・マリア・アッスンタのカテドラル(ドゥオーモ)と斜塔
朝陽を浴びて、カテドラルの後方に建つ斜塔
昼時の眩しい太陽を浴びて建つ斜塔
夕映えの斜塔
斜塔頂上部から見た鐘楼
鐘越しに見えるピサの街並
一番大きな鐘は1トン級、
赤茶色に塗装されたヘッドストックは木製です
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