アメリカ・フィラデルフィア市の「自由の鐘(Liberty Bell)」をご紹介致します。
フィラデルフィア「自由の鐘(Liberty Bell)」 |
「自由の鐘」は、ニューヨークの自由の女神と並んで、アメリカの自由のシンボルです。
1751年、ペンシルバニア州議会は、州議事堂用に鐘を発注しました。
州議会議長は、聖書の「地上全体と住む者すべてに自由を宣言せよ(レビ記25:10)」を、
鐘に刻むよう注文しました。
英国ロンドンのメーカーで鋳造された鐘は、1年後の1752年にフィラデルフィアに到着しました。
ところが、鐘楼に吊り上げる前の、テストの第1打で、鐘は壊れてしまいました。
地元の、パス(Pass)とストウ(Stow)に鋳造し直させ、1753年にやっと鐘楼に取り付けることが出来ました。
以後、州議会の公式の鐘として、議会の召集に、選挙の投票の呼び掛けに、
あるいは市民の冠婚葬祭の知らせになどに、鐘は鳴らされました。
1776年7月8日、アメリカの独立宣言が、はじめて市民に知らされた際にも、この鐘が打ち鳴らされました。
「自由の鐘(Liberty bell)」と呼ばれるようになったのは、1830年代で、
奴隷制度廃止論者達が、この鐘を、奴隷解放のシンボルとして「自由の鐘」と呼び始めてからです。
南北戦争(1861〜1865年)中は、アメリカ各地で展示され、自由への戦いを鼓舞する役目を果しました。
ひび割れ(亀裂)が入ったのはいつのことでしょうか。
また、どこで、何が原因で、ひび割れは生じたのでしょうか。
1817年から1846年の間であることだけは確かですが、
諸説あって、鐘の所有主であるフィラデルフィア市でも、断定をしていません。
1846年2月12日、ジョージ・ワシントンの誕生日を記念して、鳴らされたのが最後の鐘の音になりました。
ひび割れがひどくなり、それ以後、鳴らされることはありませんでした。
現在、「自由の鐘」は、インディペンデンス・ホール前のモールのパビリオンに展示されています。
このパビリオンを訪れる観光客は、年間600万人と言われています。
これほど「自由の鐘」が人気を集めている理由は、歴史の浅いアメリカでは貴重な歴史的遺産であること、
それも自由と独立のシンボルとしての遺産であることです。
さらに加えるならば、鐘に入った「ひび割れ」が、自由と独立を戦いとった歴史を物語る、
格好の演出効果を出していることにもあるようです。
「自由の鐘」の人気は絶大で、アメリカ各州に等身大のレプリカが取り付けられています。
日本でも、フィラデルフィア市の友好都市である神戸市(研究学園都市)に、等身大のレプリカが設置されています。
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現在は新しい鐘が付いているインディペンデンス・ホール(州議事堂) |
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インディペンデンス・ホール鐘楼 |
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ホール前の初代大統領ジョージ・ワシントン像 |
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「自由の鐘」が展示されているパビリオン |
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ガラス越しに「自由の鐘」が見えます |
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「自由の鐘」は、フィラデルフィアきっての観光スポットです |
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自由への戦いで傷ついた老兵を思わせます |
「自由の鐘(Liberty Bell)」詳細 |
鐘の外周 |
鐘本体頭部7フィート6インチ(約2285mm) / 鐘底部12フィート(約3657mm) |
鐘の高さ |
鐘本体3フィート(約914mm) 鐘本体から上2フィート3インチ(約685mm) |
鐘の重量 |
2080ポンド(約943Kg) |
鐘の素材 |
銅70%+錫25%+鉛など5% |
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これがひび割れです |
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聖書の言葉「地上全体と住む者すべてに自由を宣言せよ(レビ記)」 |
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神戸研究学園都市に設置されているレプリカ |
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