「日本三名鐘」の一つ、奈良・東大寺の梵鐘をご紹介いたします。
「姿(形)の平等院」、「音(声)の三井寺」に、
「勢」の東大寺の代わりに、「銘」の神護寺を加えて、三名鐘とする文献もございます。
神護寺の鐘も、東大寺の鐘も、両方加えて、「日本四名鐘」にすればよろしいかと思いますが、
「日本三景」、「日本三名園」など、「三」にこだわる国民性からなのでしょうか、
東大寺が省かれることがあります。
省かれたとしても、東大寺の鐘が、他の三鐘に比べて、劣るということではありません。
姿形、音色ともに、他の三鐘に勝るとも劣らぬ、名鐘です。
「奈良の大仏さま(盧舎那大仏)」で知られる東大寺は、華厳宗大本山です。
はじまりは、728年に聖武天皇が、皇太子の基(もとい)王を弔って建立した、
金鐘山寺(きんしょうせんじ)に遡ります。
745年に平城京に遷都して、盧舎那大仏造立工事が始まりました。
749年に大仏の鋳造が完成し、752年に大仏開眼供養が行われました。
梵鐘は、前年の751年に鋳造されたと伝えられています。
東大寺の鐘は、重さ26.364トンもある大鐘で、
「奈良太郎(奈良の大鐘、あるいは奈良時代の大鐘)」と呼ばれて来ました。
音色は豪壮で、長く響き渡ることで知られ、「日本三名鐘」の一つとされています。、
直径は2.708メートル、高さは3.853メートルです。
現在の鐘楼は、鎌倉時代(1207〜10年)に、栄西によって再建されたものです。
梵鐘も、鐘楼も、国宝に指定されています。
また、室町時代の文献には、南都(奈良)八景の第一として、
「東大寺ノ鐘」が挙げられています。
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東大寺参道 |
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国宝の鐘楼(西側) |
撞座のある同東側 |
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梵鐘は「奈良時代」に鋳造され、
鐘楼は「鎌倉時代」に再建されました |
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「日本三名鐘」の一つで、国内最大級の大鐘 |
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直径約271センチ、高さ約385センチ、重さ約26.4トン |
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大法会の30分前と、毎夜8時に撞かれます |
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